準備・手続き2026/7/14

引越しの退去手続き|原状回復・立会い・鍵返却の完全ガイド

退去で大切なのは「期限内の解約予告」と「原状回復の範囲を正しく知ること」です。解約から鍵返却・敷金返還までの流れをチェックリスト付きで解説します。

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引越しの退去手続き|原状回復・立会い・鍵返却の完全ガイド

賃貸住宅の退去でいちばん大切なのは「解約予告を期限内に出すこと」と「原状回復の負担範囲を正しく知ること」です。 この2点を押さえるだけで、退去にまつわるトラブルの大半は防げます。この記事では、解約予告から鍵返却・敷金返還までの流れを、チェックリストとともに分かりやすくご紹介します。


退去手続きの全体フロー(解約予告〜鍵返却まで)

退去手続きは、思い立ってすぐに引越せるものではありません。多くの賃貸契約では「退去の◯日前までに通知する」という解約予告のルールがあり、ここを起点にスケジュールが決まります。

全体の流れは、おおむね次のようになります。

  1. 契約書で解約予告期間を確認する(退去の意思が固まったらすぐ)
  2. 管理会社・貸主へ解約予告を出す(書面または所定の方法で)
  3. 引越し業者の手配・荷造りを進める
  4. ライフラインの停止・移転手続きを行う
  5. 退去日に立会いを実施する(室内状態の確認)
  6. 鍵を返却する
  7. 敷金の精算・返還を受ける

ポイントは、解約予告と引越し日を逆算して同時に決めることです。退去日だけ先に決めても、解約予告が間に合わなければ余分な家賃が発生してしまいます。


解約予告の時期と方法(契約書確認の重要性)

退去手続きの出発点は、賃貸借契約書に書かれた「解約予告期間」の確認です。

一般的な居住用賃貸では「退去の1か月前まで」とする契約が多いものの、物件によっては「2か月前まで」「3か月前まで」と定められている場合もあります。この期間を勘違いすると、退去後の家賃を二重に支払うことになりかねません。

確認すべきポイントは次のとおりです。

  • 解約予告期間(何日前・何か月前までに通知が必要か)
  • 通知方法(電話のみ可か、書面や所定フォームが必要か)
  • 起算日(通知日からか、月末締めかで実際の退去可能日が変わります)
  • 短期解約違約金の有無(入居から一定期間内の退去で違約金が発生する契約もあります)

通知の方法は、後から「言った・言わない」のトラブルを避けるため、書面やメールなど記録に残る形で行うのが安心です。電話で伝えた場合も、日時と担当者名を控えておきましょう。


原状回復の範囲と費用目安(通常使用による経年劣化は借主負担外)

退去時にもっとも誤解が多いのが「原状回復」です。原状回復とは、借りた当時の状態に「完全に戻す」ことではなく、借主の故意・過失や手入れ不足による損耗を回復することを指します。

国の指針でも、通常の生活で生じる経年劣化や自然な損耗(通常損耗)は、原則として貸主負担とされています。家賃には、こうした通常損耗の補修費用があらかじめ含まれていると考えられているためです。

借主負担になりやすい例

  • たばこのヤニや臭いによる壁紙の変色
  • 飲み物などをこぼして放置したことによるシミ・カビ
  • 引越し作業や家具移動でつけた大きなキズ・へこみ
  • ペットによる柱や壁の傷(ペット可物件でも過度なものは対象)
  • 結露を放置したことによるカビの拡大

貸主負担になりやすい例(通常損耗・経年劣化)

  • 日照による壁紙やフローリングの自然な色あせ
  • 家具の設置跡(へこみ程度のもの)
  • 画びょうや小さな釘の穴(下地交換が不要な程度)
  • 設備の自然な寿命による劣化

費用の目安は部屋の広さや状態で大きく変わりますが、身に覚えのない高額な請求やハウスクリーニング費用の一方的な負担には、明細を確認したうえで根拠を尋ねることが大切です。


退去立会いのポイント(当日の確認事項、写真撮影)

退去立会いは、貸主・管理会社の担当者と一緒に室内の状態を確認し、原状回復の負担範囲をすり合わせる重要な場です。ここでの確認が、後日の敷金精算に直結します。

当日に確認・実施したいことは次のとおりです。

  • 室内のキズ・汚れを一緒に確認する(どこが借主負担か、その場で擦り合わせる)
  • 気になる箇所はすべて写真・動画で記録する(日付が分かる形が理想)
  • その場で口頭合意した内容を書面化してもらう(負担箇所・概算金額)
  • 設備の動作確認(給湯器・エアコンなどの不具合は貸主負担か確認)
  • メーター類の数値確認(ライフラインの最終精算に備える)

特に大切なのが写真撮影です。入居時の写真が残っていれば、「最初からあったキズ」を証明でき、不当な請求を防げます。立会いの場で署名を求められても、負担範囲に納得できない場合はその場で即決せず、保留できないか確認しましょう。


鍵返却と敷金返還(精算の流れ、返還時期)

立会いが終わったら、借りているすべての鍵を返却します。スペアキーや、後から作った合鍵も含めて返すのが原則です。鍵を紛失していると、シリンダー交換費用を請求されることがあります。

敷金は、家賃の滞納分や借主負担分の原状回復費用を差し引いたうえで、残額が返還されるのが基本的な流れです。精算の流れは次のようになります。

  1. 立会いで確認した負担範囲をもとに精算書(敷金精算明細)が作成される
  2. 敷金から、借主負担分・未払い家賃などが差し引かれる
  3. 残額が指定口座へ返金される

返還時期は契約内容によりますが、退去後おおむね1か月前後で精算されるケースが一般的です。明細を受け取ったら、負担項目と金額に根拠があるか、通常損耗まで請求されていないかを必ず確認しましょう。納得できない項目があれば、明細の内訳を書面で求めることが大切です。


退去チェックリスト表(時期・項目・担当)

退去の準備は、時期ごとに「いつ・何を・誰がやるか」を整理しておくと抜け漏れを防げます。

時期 項目 担当
退去の意思が固まったらすぐ 契約書で解約予告期間・通知方法を確認 借主
解約予告期間に合わせて 管理会社・貸主へ解約予告(書面推奨) 借主
退去1か月前まで 引越し業者の手配・見積もり 借主
退去2〜3週間前 ライフライン(電気・ガス・水道)の停止手続き 借主
退去2〜3週間前 郵便物の転送届・住所変更 借主
退去1週間前 荷造り・不用品の処分 借主
退去当日 室内清掃・退去立会い・写真撮影 借主/管理会社
退去当日 すべての鍵を返却 借主
退去後1か月前後 敷金精算明細の確認・返還 借主/貸主

よくあるトラブルと回避法

退去をめぐるトラブルは、事前の確認と記録でほとんど防げます。代表的なものと回避法をご紹介します。

  • 「解約予告が間に合わず家賃が二重発生」 → 退去の意思が固まったら、まず契約書の予告期間を確認し、引越し日と同時に逆算してスケジュールを組みましょう。
  • 「通常損耗まで原状回復費用を請求された」 → 経年劣化・通常損耗は原則貸主負担です。明細の根拠を確認し、納得できない項目は書面での説明を求めましょう。
  • 「立会いで言われるまま署名してしまった」 → 負担範囲に納得できなければ即決を避け、写真とメモを残して保留できるか確認します。
  • 「敷金がいつまでも返ってこない」 → 返還時期の目安を契約書で確認し、過ぎても連絡がなければ精算状況を書面で問い合わせます。
  • 「入居時のキズまで請求された」 → 入居時・退去時の写真が決め手になります。日付の分かる記録を必ず残しましょう。

いずれも共通するのは「契約書の確認」と「写真・書面による記録」です。 この2つを徹底するだけで、退去のリスクは大きく下げられます。


引越し日が決まれば、退去計画も立てやすくなります

退去手続きは、引越し日が確定して初めて、解約予告から立会いまでのスケジュールを正確に逆算できます。 逆に言えば、引越しの段取りが遅れると、解約予告のタイミングもずれて余分な家賃が発生しかねません。

そこでまず固めたいのが、引越し業者と引越し日の決定です。ERABU なら、スマホで荷物を撮影するだけで複数の引越し業者の見積もりをまとめて取得できます。電話や訪問見積もりの手間なく相場感をつかめるため、引越し日が早く決まり、退去計画も前倒しで進められます。退去日と引越し日の調整に悩んでいる方は、まずは見積もりから始めてみてください。


よくある質問(FAQ)

Q. 解約予告は、いつまでに出せばよいですか? A. 物件ごとに異なりますが、「退去の1か月前まで」とする契約が多く見られます。2か月前・3か月前という契約もあるため、必ず賃貸借契約書で確認してください。

Q. 退去時のハウスクリーニング費用は、必ず借主が払うのですか? A. 契約書に「ハウスクリーニング費用は借主負担」と特約がある場合は負担を求められることがあります。ただし金額が相場とかけ離れて高額な場合などは、明細の根拠を確認することをおすすめします。

Q. 経年劣化による壁紙の色あせも、借主が負担するのですか? A. 日照などによる自然な色あせは通常損耗にあたり、原則として貸主負担です。借主の故意・過失による汚れやキズとは区別されます。

Q. 退去立会いには、必ず立ち会わないといけませんか? A. 立会いは、原状回復の負担範囲をその場ですり合わせる大切な機会です。立ち会えれば、不当な請求を防ぎやすくなります。どうしても難しい場合は、事前に管理会社へ対応方法を相談しましょう。

Q. 敷金は、退去後どのくらいで返ってきますか? A. 契約内容によりますが、退去後おおむね1か月前後で精算・返還されるケースが一般的です。返還時期は契約書にも記載があることが多いので、あわせて確認してください。

Q. 入居時のキズを、退去時に請求されないためにはどうすればよいですか? A. 入居直後に室内の状態を写真や動画で記録しておくことが有効です。退去立会いの際も同様に記録を残せば、最初からあった損耗を証明しやすくなります。


最終更新日:2026年6月30日

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ERABU編集部

2026/7/14 公開